アロマの基本を体験する~簡単レシピ20

 20個すべて試していただくと、アロマの基本を一通り体験することができます。具体的な内容は、次の通りです。

・花草木実、計4グループの「精油」を使う
・頭のてっぺんから足の先まで、計5つの「部位」に働きかける
・嗅ぐだけでなく、入浴やマッサージなど計5つの「方法」を体験する

 時間をかけずに身近な物でできるよう心がけたので、初心者の方も試しやすいと思います。中級者以上の方には、日々のお手入れとして役立ていただけるはずです。

 ここでは、身体の部位ごとに分類しました。どうぞご活用ください。

●顔・頭のアロマを体験する

イランイランのスチームで、お顔を保湿する

洗面器に、イランイラン(1滴)を落とし、熱いお湯を注ぎます。湯気に手をかざし温度を確認したら、顔を蒸しましょう。
春はまだ乾燥します。イランイランは皮脂のバランスを整える精油です。

ペパーミントの温湿布で、頭痛を緩和

水で絞ったタオルを、電子レンジで1分加熱。粗熱をとりながらタオルをたたみ、ペパーミント(2滴)を落とします。ポリ袋に入れて、後頭部にあてましょう。
後頭部の緊張は、緊張性頭痛の元。ペパーミントで、筋肉をゆるめます。

レモンの芳香浴で、目を覚ます

 レモン(2滴)をマグカップに入れて、熱いお湯を注ぎます。窓辺で太陽の光を浴びながら、香りを吸い込みましょう。
 外出自粛の毎日は、メリハリが少なく、目覚めのタイミングにも影響を与えがちです。レモンのシャープな香りにたすけてもらいましょう。

ユーカリの香りで、寝つきをよくする

 ユーカリ(1滴)を、ティッシュペーパーに落とします。寝るとき、枕元に置きましょう。香りの強さは、ティッシュの位置で調整します。
 ユーカリは、呼吸を楽にする精油です。呼吸がスムースだと気持が落ち着き、寝つきもよくなります。

●首・肩のアロマを体験する

ラベンダーの温湿布で、肩こりを和らげる

洗面器にラベンダー(2滴)を落とし、熱いお湯を注ぎます。
タオルを細長くたたみ、真ん中をお湯に浸します。タオルを絞るときは、乾いた両端を持てば熱くありません。
ポリ袋に入れて、肩にあてます。

ローズマリーのマッサージオイルで、肩をさする

ローズマリー(1滴)とオリブ油(小さじ1)を混ぜると、マッサージオイルのできあがり。円を描くように、肩になじませます。
一日中パソコンに向かっていた日に。ローズマリーは、筋肉の疲労を和らげます。

オレンジの香りで、イライラを静める

オレンジ・スウィート(1滴)を、ティッシュペーパーに落とし、たたみます。ブラジャーのなかに入れると、襟元から香りが立ち上ってきます。
腹式呼吸とともに吸い込みましょう。オレンジは気持を明るくする精油です。

ティートゥリーの温湿布で、冷えを和らげる

 ティートゥリー(2滴)を洗面器に落とし、熱いお湯を注ぎます。タオルを細長くたたみ、真ん中をお湯に浸します。タオルを絞るときは、乾いた両端を持てば熱くありません。ポリ袋に入れて、首にあてます。

●手・腕のアロマを体験する

オレンジのハンドソープで、みんなで洗う

オレンジ・スウィート(6滴)と、無香料の液体せっけん(30ml)を混ぜると、ハンドソープのできあがりです。
オレンジは、老若男女に好かれる香り。家族みんなで気持ちよく洗えます。

ティートゥリーで、手荒れを防ぐ

ティートゥリー(1滴)と、オリブ油(小さじ1)を混ぜると、保湿オイルのできあがり。大豆大を、両手に伸ばします。
ティートゥリーは、昔はキズの手当てに使われた精油です。手荒れケアにもおすすめします。

イランイランの手浴で、不安を静める

イランイラン(1滴)を洗面器に落とします。40℃のお湯を洗面器に注ぎ、手首まで浸しましょう。
身体の末端が温まると、自律神経が休まり、気持が軽くなってきます。イランイランは気持を開放する精油です。

ペパーミントで、手のツボを刺激する

 ペパーミント(1滴)と、オリブ油(小さじ1)を混ぜると、マッサージオイルのできあがり。両手になじませて、指の付け根や手のひらを押しましょう。
 ペパーミントは、いら立ちを静める精油。ツボ押しと組み合わせると、さらにリラックスできます。

●腰・腹のアロマを体験する

ユーカリのお風呂で、腰痛を和らげる

ユーカリ(5滴)と塩(大さじ3)を混ぜて、バスソルトを作ります。お風呂をぬるめに沸かし、お湯に溶かしましょう。
座りっぱなしは、腰痛の元。ユーカリは筋肉の疲労をほぐします。

ラベンダーのバスミルクで、お腹を温める

ラベンダー(5滴)とミルクパウダー(大さじ3)を混ぜて、入浴剤を作ります。お風呂に溶かし、ゆっくり温まりましょう。
胃腸が温まると、緊張も和らぎます。ラベンダーは、リラックス効果の高い精油です。

ローズマリーのマッサージオイルで、腰をさする

ローズマリー(1滴)と、オリブ油(小さじ1)を混ぜると、マッサージオイルのできあがり。大豆2~3粒分を、腰のだるく感じるところに伸ばしましょう。
ローズマリーは、血行をよくする精油です。

オレンジの温湿布で、みぞおちを温める

 洗面器にオレンジ(2滴)を落とし、熱いお湯を注ぎます。タオルを細長くたたみ、真ん中をお湯に浸します。タオルを絞るときは、乾いた両端を持てば熱くありません。ポリ袋に入れて、みぞおちにあてましょう。
 オレンジは胃腸の働きを整える精油です。

●足・脚のアロマを体験する

ペパーミントの足浴で、心を落ち着ける

洗面器に40℃のお湯を張り、ペパーミント(2滴)を落とします。混ぜたら足を浸しましょう。
気分転換は案外難しいもの。ペパーミントの清涼感にたすけてもらいましょう。

レモンの香りで、ふくらはぎをトリートメント

レモン(1滴)とオリブ油(小さじ1)を混ぜると、マッサージオイルのできあがり。足首から膝に向けて、手のひら全体でさすります。
足がむくんでだるいときに。レモンは、血のめぐりをサポートする精油です。

ユーカリの保湿オイルで、スネの乾燥を和らげる

ユーカリ(1滴)と、オリブ油(小さじ1)を混ぜると、保湿オイルのできあがり。左右のスネに伸ばしましょう。
スネは、皮脂の分泌が少なく、春になっても荒れがち。ユーカリは、抗炎症作用があるといわれます。

ラベンダーのパウダーで、足のツボを刺激する

 ラベンダー(1滴)と、片栗粉(小さじ1)を混ぜると、アロマパウダーのできあがり。足に1つまみなじませて、ツボを押します。
 ラベンダーは、血のめぐりをよくする精油です。足が冷えたとき、試してみてください。

●こぼれ話

 これらのレシピは、2020年4月12日から5月8日まで、毎日ひとつツイッターに投稿したものです。

 4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、政府から緊急事態宣言が発令されました。それとともに、多くの人が外出を自粛することになり、「おうち時間」ということばが聞かれるようになります。そこで当初は、このプログラムも、「おうち時間を心地よく」というタイトルでツイートしていました。アロマセラピーが、こもりがちな生活の刺激になればいいなあと思ったのです。

 今回、ホームページにまとめるにあたって、タイトルを「アロマの基本を体験する簡単レシピ20」に変えました。これを書いている8月現在、ウイルスは収束していませんが人々は街に出るようになり、「おうち時間」ということばはあまり使われなくなりました。

 タイトルは変わりましたが、このページのはじめに書いた「20個すべて試していただくと、アロマの基本を一通り体験することができます」という、プログラム自体のねらいは変わりません。この先も長く、皆さまのお役にたてればと思っています。