カツラの香りを求め、銀座を訪ねました

先日テレビを見ていたら、キャラメルの香りがするという葉っぱが出てきました。
それはカツラという木の葉で、紅葉すると香りが強くなるのだそうです。
さっそく調べてみると、銀座通りの街路樹に使われていることがわかりました。
以下、カツラの香りの体験記です。ハイブランドの街・銀座から、甘い香りをレポートします。

こちら、銀座通りです。

こちらは、銀座4丁目の交差点。鳩居堂や和光に囲まれた銀座の中心です。

そこを貫く銀座通りには、カルチエや…

シャネル、グッチなどの有名ブランドが並びますが、
両脇の街路樹にはカツラが使われています。

銀座通りは、みたらし団子の香り

訪ねた時期は、11月半ば。カツラは、遠目では青々していますが…


近寄って見てみると、

意外と、紅葉していますね。
さらに、足元を見ると…

枯葉が落ちていたので、拾って香りを確認してみました。

なるほど。キャラメルの香りといわれる意味がわかったような気がします。
けれど、わたしの鼻には、和風に感じられました。
どちらかというと、みたらし団子のタレのイメージです。
※葉っぱの大きさは、縦横7cmほどです。

この甘さの元は、マルトールという成分で、語源は麦芽(モルト)からくるのだそうです。
いわれてみると、麦こがしの香りにもちょっと似ているかもしれません。

※写真は、銀座通りのカツラの木についていたプレート。金具が壊れていて、90°傾いていました。

日比谷公園のカツラは、お休み中

日比谷公園にも、カツラがあると聞き、足をのばしてみることにしました。
銀座通りから、ゆっくり歩いて10分くらいです。

園内の地図によると、カツラは池のほとりに植えられているようなので、行ってみます。

途中、松本楼のイチョウの脇を通り過ぎました。

鮮やかな黄色に圧倒されます。

カツラも無事に見つかりました。

銀座通りのカツラは、幹の太さが直径10cmほどでしたが、こちらは結構な大木です。


ところが…

全体像は、こちら。柵の向こうの木がカツラです。
病気にかかってしまったのか、幹のみの状態で、葉っぱはほとんどありません。しかも、この柵のせいで、貴重な落ち葉も拾えません。
それでも、近寄ると、かすかに甘い香りを感じました。少ししか葉がついていないのに、びっくりしました。

キャラメル味のクレープいただきました

銀座通りと日比谷公園の中間あたりに、「パーラ」というクレープのお店があります。
「キャラメル・プラリーヌ」というメニューが評判ということなので、キャラメルつながりで、食べてみることにしました。

名前の通り、サクサクのプラリーヌがクレープの先っちょまで入っていて、お店の気概を感じます。
ただ、香りに関しては、カツラの勝ちです。甘くこがした香りは、カツラのほうがずっと強い! 

カツラは意外と身近な木

 キャラメルの香りの葉っぱと聞いて銀座まで出かけてきましたが、カツラの木は案外わたしたちの身近にもありそうです。

 「冷涼な山地の沢沿いなどに生える高木で、公園樹や街路樹として植えられる」と、『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』(林将之著)に書いてありました。紅葉の時期なら香りも強くなりますから、鼻を働かせれば、近所やハイキング先でも見つけられるかもしれません。

 さて、この甘い葉っぱの精油がないか調べてみたところ、カツラそのものだけでなく、カツラ科全体を通して見当たりませんでした。その点はちょっと残念ですが、銀座で集めた葉っぱをサロンに用意してありますから、ご来店の際はぜひ香りを確認してみてください。

(出かけた日:2020/11/18)