更年期を爽やかに過ごす~アロマレシピ15

 更年期は、女性ホルモンの分泌が急激に減る時期です。
 ホルモンバランスが乱れると、自律神経にも影響して、心身ともに緊張しやすくなります。
 こちらでは、女性ホルモンを整える精油を使って、更年期に起こりやすい緊張状態を和らげるレシピをご紹介します。
 トラブル別に分けましたので、ご自分にあったものを試してみてください。

●ほてり対策

サイプレスの香りで、ホットフラッシュを静める

 手のひらサイズの保冷剤を冷凍庫で冷やします。サイプレス(1滴)とレモン(1滴)をハンドタオルの内側に落としたら、保冷剤を包み、頭や首筋を冷やしましょう。
 サイプレスは、女性ホルモンを調整するといわれる精油です。

クラリセージの手浴で、熱感を和らげる

 クラリセージ(1滴)とペパーミント(1滴)を洗面器に落とします。8分目まで水を注ぎ、手を浸しましょう。
 手が涼しくなると、体温が解放されて、顔の熱感も落ち着きます。
 精油は、クラリセージに、涼し気なペパーミントを組み合わせました。

ゼラニウムのローションパックで、ひんやりしっとり

 ゼラニウム(3滴)をアルコール(7滴)に溶かします。グリセリン(小さじ1/2)と水(30ml)を加えると、化粧水のできあがり。シートマスクに含ませて顔にのせましょう。
 ゼラニウムは、女性ホルモンも皮脂の分泌も、どちらも整える精油です。

●冷え対策

クラリセージのバスソルトで、身体の芯まで温まる

 クラリセージ(3滴)とラベンダー(2滴)を、塩(大さじ3)と混ぜると入浴剤のできあがり。ぬるめのお湯に溶かし、ゆっくり浸かります。
 更年期は、体温の調整が苦手になる時期。精油のちからを借りて、冷えを和らげましょう。

ゼラニウムの香りとともに、冷えのツボを刺激する

 ゼラニウム(1滴)とオリブ油(小さじ1)を混ぜると、マッサージオイルのできあがり。足に伸ばしてゆっくりさすったら、しあげに、冷え緩和のツボ「三陰交」を刺激します。
 ゼラニウムは、めぐりをよくし、冷えを和らげる精油です。

スパイスティーで、お腹のなかから温まる

 チューブ入りショウガ(1cm)、コショウ、クローブ(各3ふり)をカップに入れます。紅茶のティーバッグ(1つ)、コーヒー用ミルク(1つ)、砂糖(小さじ2)も入れて、沸かしたお湯を注ぎましょう。1分経ったら、召し上がれ。

●イライラ対策

ミント・ソーダで、高ぶった気持を静める

  ペパーミントの生ハーブ(10cm×3枝)を粗みじんにします。グラスに入れて炭酸水を注ぐと、ミント・ソーダのできあがり。
  ペパーミントの香りとソーダののど越しが相まって、爽やかさが引き立ちます。イライラを静めたいとき、召し上がれ。

サイプレスのウォーキングで、頭のモヤモヤを整理する

 サイプレス(1滴)とハッカ油(1滴)を、ティッシュに落とします。ブラジャーのなかに入れたら、10分ほど散歩に出かけましょう。
 身体を動かすと、頭のなかがすっきりします。
 サイプレスもハッカ油も、気持を落ち着ける精油です。

イランイランの足浴で、気持を楽にする

 イランイランとローズウッド(各1滴)を塩(小さじ2)と混ぜると、バスソルトのできあがり。40℃のお湯に溶かし、足を浸しましょう。
 足が温まると、自律神経の働きで、気持が落ち着きます。
 イランイランもローズウッドも、心を開放する精油です。

●寝つきをよく

イランイランの芳香浴で、安眠の支度

 イランイラン(2滴)とベルガモット(3滴)を、アロマランプの上皿に落とします。眠りにつく30分前に、電源を入れましょう。
 眠気はゆっくり訪れるので、前もって環境をこしらえます。
 イランイランもベルガモットも、気持をほぐす精油です。

カモミールティーで、お腹からリラックス

 ドライハーブのカモミール・ジャーマン(小さじ2)をティーポットに入れて、熱いお湯(180ml)を注ぎます。抽出のあいだ、カップにマーマレード(小さじ2)を入れておきましょう。3分後カップに注ぎます。
 空腹で寝つけないとき、召し上がれ。

サイプレスの温湿布で、目を温める

 サイプレス(2滴)を洗面器に落とし、熱いお湯を注ぎます。タオルを真ん中だけ浸したら、端を持って絞りましょう。粗熱がとれたら、ポリ袋に入れて目にのせます。
 サイプレスは、女性ホルモンを整えるとともに、高ぶった気持を静める精油です。

●肩こり対策

イランイランの香りで、肩のコリをほぐす

 イランイランとラベンダー(各1滴)とオリブ油(10ml)を、ロールオンのボトルに入れると、携帯バームのできあがり。肩のこわばるところを刺激しましょう。
 イランイランは女性ホルモンを整える精油。筋肉をほぐすラベンダーと組み合わせます。

ゼラニウムの温湿布で、肩を温める

 ゼラニウム(2滴)を洗面器に落とし、熱いお湯を注ぎます。タオルを真ん中だけ浸したら、端を持って絞りましょう。粗熱がとれたら、ポリ袋に入れて肩にあてます。
 ゼラニウムは、女性ホルモンを整えるとともに、血行もよくする精油です。

クラリセージの入浴剤で、肩の緊張をゆるめる

 ゼラニウムのハーブ(5枚)にクラリセージの精油(5滴)を落とします。だしパックの袋につめたら、お風呂に入れて揉みましょう。肩までゆっくり浸かります。
 クラリセージは、女性ホルモンを整えるとともに、筋肉の緊張を和らげる精油です。

●こぼれ話

 今回のプログラムでは、4種類の精油を使いました。どれも、女性ホルモンのバランスを整える効能をもっています。
 自分のことで恐縮ですが、このなかのクラリセージは、わたしが2本目に買った精油です。30歳のころ、PMSの症状を落ち着けようと求めました。

 クラリセージの精油成分スクラレオールは、女性ホルモンの化学構造と似ているそうで、アロマセラピーの世界では、婦人科系のトラブル緩和によく使われます。
 加えて、クラリセージは、リラックス効果も有名です。調べてみると、主要成分の2つはラベンダーと同じなので、なるほどと思いました。

 ひとつ難点があるとすれば、香りがちょっと独特なことでしょうか。ラベンダーのような深みはあるもののフローラルな要素は少なく、その点が地味な印象を与えるかもしれません。
 そこで、今回ご紹介のレシピでは、ペパーミント、ラベンダー、ゼラニウムをそれぞれ組み合わせて、華やかさや親しみを出そうと試みました。すると、クラリセージはスパイスのような働きをみせ、奥行きのあるとてもいいブレンドになりました。

 若いころは、アロマ初心者だったこともあり、使いこなせなかったクラリセージの精油。正直言って、ピンとくるものがありませんでした。
 けれども更年期を迎えた今、仕事と暮らしの両面でお付き合いを重ねた結果でしょうか、日々を伴走してくれる頼もしい香りになっています。


※これらのレシピは、2020年9月21日から10月9日まで、毎日ひとつツイッターに投稿したものです。

※アロマセラピーは治療法ではありません。体調のよくないときは、医師に相談したうえでお試しください。小さな子どもは、原則として控えましょう。